When Life Begins in Space. ― いのちの始まりを、地球から宇宙へ ―
周産期小児宇宙医学協会(PPSM)は、 「子どもが安全に宇宙で生き、育ち、未来へ進める社会」を実現するため、多職種・多世代・国際的な仲間が集うオープンな学術コミュニティです。
【周産期小児宇宙医学協会(PPSM)とは】
以下のような方を対象に、宇宙といのちに関する学びと協働の場を広げます。
• 周産期小児医療に携わり、宇宙医学に関心を持つ学生・医師・看護師・助産師・研究者・その他医療関係者
• 宇宙医学の研究者で、小児・周産期分野にも興味を持つ専門家
• 工学・倫理・法・AI・微生物学など、他分野から宇宙のいのちを支えたい方
• 将来宇宙で活躍したい子どもたち
• 自分の子どもが宇宙へ行く時代に備えたい保護者
• 海外から宇宙生殖・周産期分野に貢献したい研究者
宇宙環境での妊娠・出産・育児は、医学・倫理・工学・法が交差する未開拓の領域です。 私達はその知識を共有し、多様な視点から課題と可能性を探究します。
【現在の小児・周産期宇宙医学の状況】
商業宇宙飛行の加速、月面基地計画、火星探索計画など、人類の活動圏は急速に地球外へ広がっています。子どもが宇宙で生活する可能性はすでに現実の課題になりつつあります。しかし現時点で、周産期・小児の宇宙医学研究は倫理的・技術的な制約から国際的にも十分に進んでいません。
特に、
• 倫理的理由によりヒト研究が難しい
• 動物モデルにも限界がある
• 小児の生理特性は成人と大きく異なる
• 宇宙環境(微小重力・放射線)が妊娠・発育へ与える影響は未知が多い
だからこそ今、世界中の医療者・研究者・専門家の「まだ出会っていない知識」をつなぐプラットフォーム が必要です。 PPSMは特定の研究テーマに偏らず、 幅広い領域の知見を統合し、次世代の研究と政策形成につなげること を使命としています。
周産期・小児期の宇宙医学は、 成人の宇宙医学以上に未開拓であり、 医学だけでは解けない課題が数多く存在します。
• 宇宙での妊娠・出産
• 新生児の生理・循環
• 無重力環境における子どもの発達
• 放射線と発育
• 宇宙環境とメンタルヘルス
• 子どもの安全設計(工学設計・環境デザイン)
• 宇宙における教育・心理支援
• 宇宙法と生殖倫理
• 多文化・国際協力
• 災害・救急体制
• 社会制度設計
これらは、 医師だけでは決して解決できないテーマです。 だからこそ私達は、 医療者、研究者、工学者、法学者、倫理学者、教育者、産業界、学生、そして子どもたち自身が、同じテーブルで未来を語り合うコミュニティをつくります。
【小児科医としての視点】
私達は小児科医として、以下の3つを特に重視しています。
• 宇宙医学の知見を、地球の子どもたちの予防医学へ還元すること
• 宇宙生活・月面基地における母子医療体制を構築すること
• 病気やハンディキャップがある子供たちも安心して宇宙を目指せる社会をつくること
【最後に】
周産期小児宇宙医学の発展には、 若い学生の力、多職種の連携、そして国際協力が欠かせません。 この協会から、 「子どもが安全に宇宙で生きられる未来」を一緒に創造し、共に歩み出しましょう。